相続人がいない場合の手続きをご紹介

相続人がいない場合の手続きをご紹介

こんにちは司法書士の勝猛一(カツタケヒト)です。

今回は相続人がいない場合の手続きについてご紹介します。

相続人がいない場合の手続き

相続人がいない場合の手続きは次の通りで進んでいきます

申立により家庭裁判所が相続財産管理人を選任

↓ 相続財産管理人の選任の公告           公告期間:2ヶ月

↓ 相続人がいれば申し出るように促します。

相続財産管理人により被相続人の債権者などに対する清算

↓ 相続債権者受遺者の請求申出の催告        公告期間:2ヶ月以上

↓ 債権者(被相続人にお金を貸している人)、受遺者(遺言により財産を譲り受けることになっている人)がいれば申し出るように公告

家庭裁判所が相続人捜索の公告

↓ 相続権利主張催告の公告             公告期間:6ヶ月以上

↓ なおも相続人が現れない場合、捜索の公告

相続人不存在の確定

↓ 相続人である権利を主張する者がいない場合、相続人不存在が確定

↓ 相続人の権利の消滅

清算後の財産が国庫に帰属

借金の返済などの返済後に残余財産が国庫に帰属します。

※相続人以外の人で介護などをおこなった者(特別縁故者)がいる場合。

国庫に帰属させる前に相続財産分与がなされる場合もあります。

相続財産分与については『相続人がいない場合の財産はどうなる?【特別縁故者への財産分与制度】』の記事で詳しく解説しているので合わせてお読みください。

相続財産管理人の選任

相続財産管理人とは相続人がいない場合(相続人のあることが明らかでないとき)相続財産の管理を行う者をいいます。

相続財産管理人は利害関係人や検察官の請求により家庭裁判所が選任します(民法第957条1項)。

一般には司法書士や弁護士等が選任されます。

家庭裁判所は相続財産管理人が選任されたことを官報で公告し2ヶ月にわたり相続人が名乗り出ることを待ちます(第一回目の相続人捜索)。 

債権者・受遺者に対する清算

相続財産管理人選任の公告期間が経過しても相続人の申し出がない場合。

今度は2ヶ月以上の期間を定めて債権者や受遺者に申出るよう官報で公告します(民法第957条1項)。

債権者:被相続人にお金を貸している人

受遺者:遺言により財産の贈与を(譲り)受けることになっている人

公告期間内に債権者や受遺者からの申出があれば公告期間が満了した後にまとめて清算手続きが行われます。

またこの期間内で引き続き相続人の捜索が続けられます(第二回目の相続人捜索)。

相続人捜索の公告

債権者らの申し出期間が満了しても依然として相続人が現われない場合。

相続財産管理人や検察官の請求により家庭裁判所が6ヶ月以上の期間を定めて相続人権利主張催告の公告を行い相続人を捜索します(第三回目の相続人捜索)。

ただしこの公告を行う際には相続財産が全て清算されます。

残余財産が無い場合はこの公告を行う必要はありません。

相続人不存在の確定

上記の6ヶ月以上の期間を経過しても相続人が見つからないこともあるでしょう。

そういった場合は法的に相続人の不存在が確定し相続人の権利が消滅します(民法第958条の2)。 

他方で相続人がいることが判明した場合。

相続人捜索の手続き中に相続人がいることがわかった時は手続きは中断し相続手続きに移ります。

遺言の必要性

私は多くの遺言書作成のお手伝いをしてきました。

その中で相続人がいない方もいました。

結婚をしなかった、あるいは配偶者に先立たれたなどで子供がいない。

自分は一人っ子で父も母も先に亡くなっているという場合です。

「もし私が遺言書を書かずに死んだら私の財産は国庫に行くのですよね。」と聞いてこられます。

「そうです。国庫に納入です」

と返事をすると100%の方が遺言書を書きますと。

 

自分がお世話になった方に自分の財産を渡したいという思いもあるでしょう。

そして政府や官僚が自分の大事な財産を

「有効に使ってくれるとは思えない・・・」

とも思っている方が多いです。

日本は政府や官僚が信用されていないことの表れですね。

 

何はともあれ自分の財産が国庫に納入されるより自分がお世話になった方や

日本ユニセフなどご自身が応援している団体などに寄付したいと思っているなら

遺言書でその旨を書いておきましょう。

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