自筆証書遺言とは?要件と注意点をご紹介

自筆証書遺言とは?要件と注意点をご紹介

こんにちは司法書士の勝猛一(カツタケヒト)です。

遺言書と聞くとどういったイメージを持つでしょうか?

やはり「自分で遺言を書く」というのが一般的なイメージだと思います。

自分で書く遺言を自筆証書遺言と言います。

今回は自筆証書遺言についてご紹介します。

自筆証書遺言とは

自筆証書遺言とは遺言者が遺言書の全文と日付及び氏名を自書しこれに押印することにより成立する遺言です。

自筆証書遺言の要件

(① ④が必要)

①    遺言の内容

②    遺言者の作成年月日

③    遺言者の氏名

④    押印

遺言は民法に定める方式になっていない場合遺言として認められません(960条)。

自筆証書遺言は筆記用具、紙と印鑑があれば簡単に作成することができるため多くの人に利用されています。

ですが形式を満たしていないと無効になる場合も多くあり作成にあたっては注意する必要があるのです。

特に一度書いた遺言を訂正する場合においてはその訂正の仕方が一般の人が知っている訂正方法と違います。

そのためになかなか正しい訂正することは難しいものです。

家庭裁判所の白書では遺言を訂正した人のうち75%が間違った訂正をしているという報告があるほど。

全文自書・署名が求められる理由

自筆証書遺言の作成にあたっては証人や立会人が不要です。

そのため遺言内容が遺言者の最終意思や真意を確認する重要なポイントとして

遺言の全文、日付及び氏名の自書、押印

が求められます。

日付が求められる理由

自筆証書遺言が複数発見された場合は一体どれが遺言者の最終意思としての遺言なのかかが不明になってしまいます。

そこで実際の場合は死亡時に最も近い日付の遺言が優先されます。

また遺言作成の日付により遺言時の年齢やその当時の状況が把握できるため遺言能力があったか否かを判断する手がかりにもなるのです。

遺言は判断能力や意思能力があればすることができるとされています。

自筆証書遺言の注意点

自筆証書遺言は民法に定める方式になっていない場合は遺言書として認められません。

なのでせっかく作成した自筆証書遺言が無効にならないよう以下の点を注意して作成する必要があります。

自筆であること パソコンやワープロ等での作成は不可。
用 紙 何の用紙でも可。縦書き、横書き等の様式も自由。
日 付 日付印は無効。

遺言書が作成された日を特定できることが重要であるため、年月日まで記載。

なお、10月末日等は構いませんが、10月吉日は無効となります。

(死亡時に最も近い遺言が有効なため日付が特定できないと、どの遺言書が有効かを判別できないため、日付については要件として重要です。)

氏 名 本人が特定できれば芸名やペンネームでも可能だが、戸籍名が好ましい。

(よっぽど有名な芸能人などで無い限り、ペンネームや芸名は使用しないようにしましょう。金融機関の窓口や、法務局、市役所などで本名が特定できないと手続きに手間取ることは想像に難くないでしょう)

印 鑑 認印でも可能。しかし実印が望ましい。

指印でも可だが、遺言者の死後に確認が難しい場合があるため避ける方が良い。サインは不可。

枚 数 制限はない。

ただし、遺言書が複数枚にわたる場合、ホッチキスでとめて契印、または袋綴じして割印が必要。

筆記用具 鉛筆でも可。ただし、後日変造されたり、消えたりすることのないよう、ボールペンやマジック等が好ましい。
封 印 遺言書の封印は絶対的な要件ではないが、変造・偽造を避けるために封印して、遺言書で押印して割印する方が良い。

その他「遺言書」という表題はなくても無効にはなりませんが

遺言書であることを明確にさせるため記載しておいたほうが良いでしょう。

「念書」や「覚書」などと書いてしまうと遺言書と判断されない可能性もあります。

まずは書き初めに遺言書と書いておきましょう。

なお遺言者の本人の特定のために氏名だけでなく住所や生年月日、本籍などを記載しておく方が一般的で遺言執行する際に無難となりますよ。

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