コラムcolumn
遺言書の失敗事例②|遺言に書かれた財産が無くなっていた
こんにちは、勝司法書士法人です。
今回は、前回に続き、遺言書の失敗事例について解説します。
今回は、遺言に書かれた財産が被相続人が亡くなった時点では既に無くなっていた
という事例です。
このケースは起こりうる内容ですので、注意が必要です。
息子と娘に平等に遺産を分割したかったAさんの遺言
Aさんには息子さんと娘さんの2人の子どもがいました。
奥さんは既に亡くなっていたため相続人は2人の子だけでした。
そこで亡くなったときに相続で揉めないように、あらかじめ同程度の財産を
相続できるように遺言で分けることにしました。
息子さんは、実家に住んでおり父親の面倒も見ていました。
娘さんは結婚して家を出ている状態でした。
そのため遺言では、実家の「土地と建物、現金と預金」については長男に
証券会社に預けている「株や賃貸不動産である収益物件」は娘さんに
相続させるようにしていました。
Aさんの遺言がきっかけで発生したトラブル
Aさんが亡くなり遺言書が残されていたため子どもたちは遺言を確認しました。
Aさんは上記内容で遺言を記載していたのですが、調べると大変な状態になって
いることがわかりました。
遺言に書かれていた娘が相続するはずの収益物件や株は、Aさんが生前に
売却してしまっていたのでした。
認知症を発症し施設に入る際に、その費用捻出のためそれらのほとんどを
売却してしまっており現金化されていたのです。
このため遺言に書かれていた収益物件は既に存在しておらず
株が少しばかり残されていただけだったのです。
このため娘さんは相続できるものがほとんどなく、息子さんが
ほとんどの財産を相続する形になったのでした。
娘さんは息子さんに遺産分割協議をして法定相続分通りにわけてほしいと
相談するものの息子さんはそれを拒否してしまいます。
結果的には、遺留分を請求しその分だけでも取り返せたのですが
これをきっかけにAさんの当初の願い空しく、兄弟は仲たがいを起こし
それ以降絶縁状態になってしまったのでした。
遺言書を書いた場合は定期的な見直しを!
遺言書を書いたとしてもその内容がそのままずっと同じとは限りません。
今回の事例のように作成したときから内容が変わってしまう恐れはあるものです。
そのため遺言書を作成した場合、定期的に見直しをしましょう。
このように、せっかく遺言書を作成しても上手く分配できなかったり
揉めてしまうケースは存在します。
遺言書を作成するときは、ぜひ勝司法書士法人までご相談ください。
勝司法書士法人には、専門部署がありますので、遺言や相続に関しての
お悩みやご質問がありましたら、お気軽に相談してください。
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