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遺言書の失敗事例③|自筆証書遺言で不動産表記が住所になっていた
こんにちは、勝司法書士法人です。
今回は、遺言書の失敗事例についての解説第三弾です。
今回は、自筆証書遺言を残したAさんの遺言書が効果を発揮しなかった事例について解説します。
自筆証書遺言とは文字通り、自筆で遺言を書いて残した遺言書をいいます。
専門家が作る公正証書遺言とは違い自筆証書遺言は、知識や経験のない一般の人が
自分で書いて残すため書き方を間違ってしまうことがあります。
そうなると遺言者の意向の通りに相続ができなくなってしまいます。
今回は、自宅について記載を誤ったため相続できなかった事例について解説します。
Aさんが残した遺言
Aさんは、生涯結婚せずに子どももなく、両親も既に他界してしまっていたため
肉親といえば、兄と弟の二人だけでした。
兄とは、子どもの頃から仲が悪く社会人になってからはほとんど
関わりがない状態になっていました。
弟も兄との関係は良くなく、疎遠になっていました。
その弟はAさんとは仲がよく、Aさんは、弟の家族とも一緒に食事したり
旅行に出かけたりする仲でした。
Aさんは60歳になり定年とともに余生を過ごすための一軒家を建てました。
しかし65歳のときに病気が発覚し遺言を残すことにしました。
自分の法定相続人は兄と弟。
でも兄に家は渡したくないという思いから弟家族に家を譲ることにしたのです。
遺言書には、自宅の「住所」を記載しその「家屋」を弟に「譲る」と書いたのでした。
Aさんの遺言通り相続できなかったトラブル
Aさんが亡くなった後、Aさんの自宅の机に遺言書が残されていました。
兄は遺言の内容から弟であるAさんの財産を相続できないことに一度は納得しました。
弟は遺言書を基にAさんの自宅を相続する手続きに入りました。
しかし、ここで問題が生じたのです。
Aさんが書いた遺言書に書かれていた内容では、相続登記ができなかったのです。
まず建物について住所が書かれており、土地の地番や建物の家屋番号が
書かれていませんでした。
そのため相続登記ができない状態でした。
また遺言では、家屋と書いていたため土地は含まれないと解釈される記載と
なっていました。
そのため、この遺言書では相続登記ができなかったのでした。
そのため相続するために遺産分割協議書が必要になり結果的に兄と揉めて
しまいました。
法定相続の割合通りに分配することにして土地や建物を金額換算し
兄の相続分に該当する金額割合分を、弟が金銭で兄に支払い
弟は建物と土地を相続しました。
このように、せっかく遺言書を作成しても上手く分配できなかったり
揉めてしまうケースはあります。
遺言書を作成するときは、ぜひ勝司法書士法人までご相談ください。
勝司法書士法人には、専門部署がありますので、遺言や相続に関しての
お悩みやご質問がありましたら、お気軽にお声がけください。
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