コラムcolumn
任意後見契約は判断能力があるうちだけ!!
こんにちは、勝司法書士法人です。
今回は、「任意後見契約を結ぶタイミングは判断能力があるうちだけ!!」ということについて解説します。
任意後見契約は、認知症対策の一つであり、亡くなるまでの自分の身を守るための手段の一つです。
この制度ですが、万が一自分の判断能力が衰えてしまってからだと、契約を締結することはできなくなってしまいます。
今回は、その事例について解説します。
1.公証役場で公正証書が作成できないケース
任意後見契約は、委任者と後見人受任者との間で取り交わされる契約です。
契約をした後に委任者が判断能力を失った場合や、衰えてしまった場合に、受任者が家庭裁判所に任意後見監督人の選任申立てを行い、任意後見監督人が選任された時から効力が発生します。
任意後見契約は、公正証書で作成しなければ成立しません。
そのため、公証役場にて公証人の関与の下、作成されることになります。
このとき、公証人からの質問に対する委任者の回答次第では、任意後見契約を結ぶことはできないケースがあるのです。
例えば、生年月日を確認された際に、自分の生年月日を答えるのに考え込んだり、間違ったりすると、この時点で認知能力が疑われます。
また、年齢を大幅に間違えたりすることも、通常ではありえませんので、同様に疑われます。
つまり、自分自身の生年月日や年齢が答えられない状態というのは、認知能力が低下していると判断されるのです。
そうなると、正常な判断能力をもっていないとして任意後見契約が成立しない可能性があります。
また、任意後見契約の内容(例えば預金の解約や不動産の売却を任意後見人に任せてもよいか)や制度のポイントを公証人が説明します。
このことに対し、公証人は本当に後見人に任せていいのかという意思を確認しますが、そこで委任者が答えられない場合や拒絶するような場合についても、任意後見契約は結べなくなります。
2.公正証書が作成できなかった場合はどうなる?
公証役場で任意後見契約を結ぶことができなかった場合、任意後見契約は不成立という結果になります。
つまり、自身の判断能力が衰えてしまってからでは、任意後見制度は利用することができなくなるのです。
そうなると、自分や親族から家庭裁判所に申し立てを行い、法定後見制度を活用するということになります。
任意後見制度は、判断能力があるうちに、自分の判断能力の低下や喪失してしまった場合に生じる可能性のある不安や不都合に備えるための制度です。
それに対し、法定後見制度は、実際に判断能力が低下してきた場合に、既に存在している不安や不都合を解消するための制度になります。
つまり、実際に財産の管理ができなくなってしまっているとか、施設への入所や介護サービスの利用契約ができないといったような問題に直面した際に、家族が申立てをして利用されている制度といえます。
3.まとめ
任意後見制度は、公正証書という形式で契約を締結する必要があります。
判断能力があるうちに締結する必要がある制度であることから、公証人が委任者の判断能力がないと判断すれば、任意後見契約を締結することはできなくなります。
判断能力があり元気なうちに任意後見契約は締結することが重要です。
将来のことを考え、頭に保険をかけておきたいという場合には、判断能力がしっかりしているうちに手を打っておきましょう。
任意後見契約でわからないことがあれば、ぜひ勝司法書士法人までご相談ください。
将来の不安を解消するために、ご一緒に考えていきましょう。
勝司法書士法人は、任意後見制度のスペシャリスト揃いです。
任意後見制度について不明点や相談があれば、お気軽にお問合せください。
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