コラムcolumn

2024.09.04相続

亡くなった養子に子どもがいた場合は代襲相続人になるか

こんにちは、勝司法書士法人です。

 

今回は、亡くなった養子に子どもがいた場合、その子どもは代襲相続人になるかについて解説します。

 

父親が亡くなり一人っ子で母親も既に他界しているAさんは、相続の手続きを進めようとしたところ

自分の知らない養子縁組の事実を知りました。

過去に何らかの理由がありAさんのいとこ(父親の姪)を養子にしていたようでした。

母親も亡くなっており、いとこも既に亡くなっているため経緯はわかりませんでした。

いとこには子どもがいた記憶がありました。

 

この場合その子どもは代襲相続人になるのかという事例になります。

養子縁組すると養子も法定相続人です。

法定相続人である子どもが亡くなった場合、代襲相続されますが

養子の場合どうなるかについて今回はご説明します。

 

1.養子の子に相続権はあるか

 

第1順位の法定相続人である子どもの場合、相続人が亡くなると、その子孫が代襲者となり

相続権を有します。

その子孫が亡くなった場合には再代襲され、以降も代襲原因が発生すればその代襲者が

相続権を有するようになっています。

 

それは養子縁組をした場合も同様です。

養子縁組が成立すると養子には法的な血族関係が生じ養親の嫡出子としての身分を取得します。

養子縁組後に生まれた子どもは実子同様に代襲相続人として相続権を有します。

 

一方で養子縁組前に出生していた子どもについては嫡出子の身分取得前に生まれている子どものため

養親との間には法的な血族関係は生じません。

養子縁組前に生まれていた子どもには養子の代襲者としての相続権はないのです。

 

2.養子縁組の際に妊娠していた場合

 

養子が養子縁組するタイミングで妊娠していた場合その子は養親の直系卑属としての身分を有します。

直系卑属とは、子・孫など自分より後の世代で直通する系統の親族をいいます。

 

つまり養子縁組前に養子の胎児である場合は、出生している子どもと同じ扱いにはならず養子縁組後に

生まれた子どもと同じ直系卑属となります。

 

つまり養子縁組時に胎児であっても縁組後に生まれた子どもは代襲相続権を持つのです。

 

3.養子の子が代襲相続人になるかのまとめ

 

養子の子が代襲相続人になるか否かは養子の子が出生した時期により結論に違いが生まれます。

 

事例の場合Aさんは既に母親も他界しているため法定相続人は自分だけと思っていましたので

処理を進めようとしました。

ですが予期せぬ養子の事実がわかり法定相続人が自分だけではない事実が判明したのでした。

特に父親も遺言を残しておらず過去に養子にした姪の子が相続に関係するとは思ってもいなかった

のでしょう。

 

いとこの子とは連絡がつき父親とは接する機会がなかったことや父親に負債がなかったため

遺産分割協議で遺産は実子のAさんが全て相続する形で合意となりました。

 

ですがすべてのケースにおいてこの事例のようにいくとは限りません。

棚からぼたもち的に相続を希望される可能性は高いといえます。

 

養子がいる事実を父親の生前からわかっていた場合には父親に遺言を書いてもらうなどの生前対策が

できますが今回の事例の場合は、悪く進めば遺産の半分を分けなければいけなくなるケースです。

例えば、全財産を相続し実家に住む予定だったのに法定相続分を主張されて実家を手放さなければ

いけなくなる可能性もあり得るのです。

 

このように、相続の時点で予期せぬトラブルが発生するケースはあります。

もし終活での疑問点や不安な要因がある場合、勝司法書士法人にご相談ください。

相続や遺言などの専門チームを持つ勝司法書士法人では、これまでにいろいろなケースの対応を行っており

それぞれの方に適した終活のアドバイスが可能です。

 

残されるご家族が困らないために、自分でできる準備を進めてみませんか。

 

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