コラムcolumn
「見守り契約」と「任意後見契約」はセットで!
こんにちは、司法書士の勝猛一(カツタケヒト)です。
ひとり暮らしの方から「任意後見」の相談を受けた際には
必ず「見守り契約」も一緒に説明をします。
本人の判断能力が衰えた時から「任意後見契約」が始まります。
ひとり暮らしの方の場合、判断能力が衰えているかどうかを確認する方法がありません。
そのために定期的に本人に電話連絡や面談をする「見守り契約」が必要となります。
今回はこの「見守り契約」について詳しく解説します。
「見守り契約」が必要な場合
ひとり暮らしの元気な高齢者は急に具合が悪くなり入院してしまうことがあります。
その入院により認知機能が衰えてしまうことも想定しなければなりません。
このような場合、今まで本人自身で行っていた
税金や光熱費の支払いが滞ってしまう事態がおきます。
そのために任意後見人になる人は入院後の本人を支えるために
「任意後見契約」をスタートさせる必要があります。
しかし、任意後見人になる人はひとり暮らしの方が
そのような状況になったことをすぐには把握できません。
そこで定期的に本人に連絡をとる「見守り契約」が必要となります。
電話や訪問により本人の様子を確認することで
必要なタイミングで「任意後見契約」をスタートさせる手続きを進めることができるのです。
本人が警備会社と安否確認の契約している場合には、警備会社と連携します。
「見守り契約」の報酬
見守りの状況などで違いますが月3,000円~2万円程度です。
契約内容に緊急時の対応について別途報酬を定めることもできます。
交通費などの実費もかかります。
連絡方法や訪問の回数、報酬は契約書に記載します。
例えば、
「○○は毎月1回Aさんの自宅に訪問し、面談する。」
「基本報酬は月○○円(消費税別)とする。」と記載します。
あわせて「契約解除」できることや「契約終了」の事由を記載することも大切です。
「見守り契約」のメリット
定期的な訪問や連絡のときに色々な相談ができるメリットがあります。
法的な顧問が付いている安心感です。
例えば一人暮らしが不安なので入所できる施設を探して欲しい等
一人では解決できないことを相談することができます。
任意後見人になる人に状況にあった行政サービスがないか調べてもらうこともできます。
その具体的な例は
「港区の高齢者生活援助サービスについて」 – 勝司法書士法人 (katu-sihousyosi.com)
の記事で解説しています。
「見守り契約」のデメリット
基本的に「見守り契約」は定期的な電話連絡や訪問です。
「見守り契約」だけでは、税金や入院費等の支払いを代わりにお願いすることはできません。
そこで頼れる親族のいない人は「見守り契約」と一緒に「財産管理契約」を結びましょう。
万が一の時に、支払いを代わりにお願いできるよう
自分を支えてもらう準備をしておくことが大切です。
「見守り契約」と「任意後見契約」はセットで!のまとめ
「見守り契約」はひとり暮らしの方の「任意後見契約」を
スムーズにスタートさせるために必要な契約です。
報酬は見守りの状況などで違いますが、月3,000円~2万円程度です。
「見守り契約」のメリットは、定期的な訪問や連絡のときに
色々な相談をすることができることです。
デメリットは、「見守り契約」だけでは
税金や入院費等の支払いを代わりにお願いできないことです。
ひとり暮らしの方の「任意後見契約」をスムーズにスタートさせるためにも
「見守り契約」と「任意後見契約」はセットで契約することをお勧めします。
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