コラムcolumn
任意後見がはじまるのはいつから? 契約からの流れをわかりやすく解説!
こんにちは司法書士の勝猛一(カツタケヒト)です。
将来認知症になったら自分の信頼している人に支えてもらいながら希望した通りの財産管理をお願いしたい、、、
それを実現するのは「任意後見制度」です。
任意後見制度を利用するにはあらかじめ元気なうちに任意後見契約をします。
契約をしたらすぐに後見契約はスタートするのでしょうか?
今回は「任意後見」がいつから始まるのか?
その流れについてわかりやすく解説していきましょう。
任意後見制度については成年後見制度とは~法定後見と任意後見の違い~ の記事で詳しく説明していますのでご覧ください。
今回の内容は、YouTubeでも詳しく説明していますのでご覧ください。
もくじ
任意後見がはじまるのはいつから?
任意後見がいつからはじまるかと言うと、、、
本人の判断能力が衰えて「任意後見監督人」が選任されたときです。
任意後見監督人とは本人に代わって任意後見人が契約通りに業務をおこなっているかチェックする人です。
本人は認知症になると自らチェックすることができないからです。
これは「本人保護」の仕組みです。
任意後見契約のながれ
任意後見契約をするのは「任意後見タクシー」の予約をするようなイメージです。
タクシーの予約と同じように次のことを決めます。
・タクシー運転手を指名=任意後見人を誰にするか
・どのような経路を走るか=代理してもらう内容はなにか?
たとえば施設に入所した場合の自宅の管理や売却をどうするか?
毎月の生活費などについて決めていきます。
・運賃はいくらか=後見業務がスタートしたら毎月の報酬をいくらにするか
親族を任意後見人にする場合は報酬をゼロと決めることもできます。
本人と任意後見人が話し合って契約し公証役場で公正証書にします。
任意後見契約してもまだ「任意後見タクシー」は走り出しません。
いつ走りだすのか?
それは本人の判断能力が衰えて家庭裁判所に「任意後見監督人選任申立て」を行い
任意後見監督人が決まったら「任意後見タクシー」が走りだします。
任意後見人が契約通りに業務を行っているか?
それを任意後見監督人が監督していますから。
なので本人が認知症になっても安心です。
本人が亡くなるまで判断能力があれば任意後見契約はスタートしないままで終わることになります。
もしもに備えた「頭の保険」とか「頭のお守り」みたいなものです。
任意後見監督人の選任申立てができる人
本人、配偶者、四親等内の親族、任意後見の受任者です。
任意後見監督人に選ばれる人
任意後見人が契約通りに業務を行っているかチェックする人です。
そのため弁護士や司法書士といった専門家が多く選任されます。
専門家にお願いするので報酬がかかります。
この報酬は本人の財産から支払います。
任意後見制度のメリットとデメリット
メリット
・何と言っても本人が任意後見人を決められることです。
・また本人が認知症になっても不動産の運用や自宅の売却など
契約内容通りに財産の管理・処分を任せることができるのも大きなメリットです。
これらは本人の「自己決定権の尊重」と言われるものです。
デメリット
・任意後見人には取消し権がありません。
本人が自分に不利な契約をしてしまっても任意後見人は自らの立場で取消すことができません。
そのため本人の取消権を代理して取消しができるように委任しておきます。
・判断能力が衰えてからでは任意後見契約はできません。
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「任意後見」が始まるのはいつから?について任意後見契約のながれを解説しました。
任意後見が始まるのは本人の判断能力が衰えて家庭裁判所に「任意後見監督人選任申立て」を行い任意後見監督人が選任されたときからです。
任意後見監督人は任意後見人が契約通りに業務を行っているか監督する人です。
本人の判断能力が衰えても本人に代わって契約通りに業務が行われているか監督する人がいることは本人を守ることになります。
認知症になってからではこの契約はできません。
元気なうちに「本人保護」と「本人の自己決定権」が尊重される任意後見制度について考えてみてはどうでしょうか。
任意後見契約に関係する制度については、任意後見契約に関係する制度についてご紹介 の記事で詳しく説明してますので是非ご覧ください。
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