コラムcolumn

2020.06.15遺言

遺言執行者とは?【想いを実現する人】

こんにちは司法書士の勝猛一(カツタケヒト)です。

今回は遺言者に代わって最期の想いを実現する遺言執行者についてご紹介します。

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遺言執行者とは?

遺言者に代わって遺言書の中で示した最終意思を実現する者をいいます。

遺言者が死亡した場合相続財産の管理や処分をはじめとして遺言の中には何らかの行為を必要とする事項が存在します。

このように遺言事項に関して何らかの行為を行うことを「遺言執行」と言います。

遺言者の代わりに遺言執行を委託された者を遺言執行者といいます。 

もちろん遺言執行者は必ずしも選任する必要はありません。

しかし相続にあたっては、各相続人の思惑が交錯しやすく相続手続きを進めていくのはなかなか大変です。

このような場合に法律的に保証された遺言執行者を決めておくことで

多少の混乱が生じても被相続人の意思に沿った相続が行われることが可能となります。

公正証書での遺言執行者の指定につきましては、公正証書遺言で遺言執行者を決めておこう!をご覧ください。

遺言執行者は2つのケースがあります。

指定遺言執行者

遺言者は遺言書で1人または複数の遺言執行者を指定しまたはその指定を第三者に委託することができます(1006条1項)。

一般的には弁護士や司法書士など中立的な立場で法律に通じている人を指定するケースが多く見られます。

選定遺言執行者

次の場合に家庭裁判所は利害関係人の請求により遺言執行者を選任することができます。

 

・遺言書で遺言執行者が指定されていない場合

・指定された遺言執行者が就任を拒否した場合

・指定された遺言執行者が死亡した場合

 

必ずしも遺言執行者を選任する必要はありません。

また遺言執行者のみができることは遺言による認知と推定相続人の廃除・取消です。

遺言執行者によって行われることは法定相続分を超える相続があるときや特定の遺産を相続させる場合の遺贈などがあります。

遺言執行者の権限

遺言執行者は「相続財産の管理その他遺言の執行に必要な一切の行為をする権利及び義務を有する」と定められています(民法1012条)。

このため遺言執行者が遺言書の内容に沿って行う限り相続人はこれを妨げる行為をすることはできません(1013条)。

この制限に反して相続人がなした行為は「何人に対しても無効」というのが判例の考え方です。

ですから遺言執行者がいるにも関わらず自分にとって都合が悪いからと言って勝手なことをするのは問題があります。

欠格事由

未成年者や破産者は遺言執行者となることはできません(1009条)。

ただし相続人や法人でも遺言執行者になることができます。

 

遺言書で長男を遺言執行者に指定するというような遺言がたまにあります。

ですができれば相続人にあたる方は避けた方が良いというのが私の考えです。

実際に妹から兄が遺言執行者では信用できないとして遺言執行者「解任」の訴えを起こされて

もともとギクシャクしていた関係がさらに悪化しているという相談を受けたこともあります。

少々費用がかかったとしても法律に明るく客観的に

「自己の利益のために執行することが無いであろう」

と一般的に思われる立場である弁護士や司法書士を遺言執行者に指定する方が結果として安くつきます。

なぜなら遺言を書くということは、法定相続という平等の原則から外そうとしている訳です。

つまり相続人を執行者に指定するのは危険なのです。

 

それともう一つ執行者が遺言者より先に死亡していたらどうでしょうか。

あるいは執行者が高齢で執行ができない場合や認知症になっているとか、、、

せっかく執行者を指定するのであれば弁護士法人や司法書士法人というような継続を前提とした「法人」を執行者に指定する方がリスクが少ないかもしれません。

これも執行者に指定されていた弁護士さんを尋ねたら既に業務を辞めて廃業していたという相談を受けた経験からです。

欠格事由の判断時期

なお遺言の効力は遺言者の死亡時に発生するため欠格事由は遺言者の死亡時を基準として判断されることになります。

例えば、遺言書作成時において遺言執行者として指定された者が破産者でなかった場合でも

遺言者の死亡時に破産者になっていた場合は欠格事由に該当し遺言執行者となることができません。

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