コラムcolumn

2020.09.30成年後見

成年後見制度を申し立てる時の費用ってどれくらい?後見人を選ぶポイントも合わせて紹介!

こんにちは司法書士の勝猛一(カツタケヒト)です。

久しぶりに一人暮らしをしている母親の元をを訪ねると、、、

そこには訪問販売や通信販売で購入したと思われる大量の健康食品が。

また母親は認知症が進行している様子。

こういった状況だとまず思うことが「契約を取り消したい」でしょう。

そんな時に使えるのが成年後見人の「契約の取消権」。

短期的な目線で見れば即効性のあるクーリングオフ制度を使ったり消費者センターに相談をする事になるのでしょう。

しかしこれからもお母様の認知症はどんどん進んでいくばかりです。

また同じことが起きないとも限りません。

根本的な解決方法として「成年後見人」による契約の取り消しを利用することを考えましょう。

今回は成年後見制度の利用を考えたときの費用や誰に後見人になって貰うのが良いかというポイントを解説します。

成年後見制度を申し立てる時の費用ってどれくらい?

成年後見制度の申立費用については、YouTubeでも説明しています。

成年後見人選任の申立てに必要な費用としては

概算で1万5千円~2万円前後となる場合が多いです。

※ただし家庭裁判所での鑑定が不要の場合。

では費用の内訳を見ていきましょう。

・収入印紙代・・・・・・3400円(※申立費用800円+後見登記用2600円)

※保佐開始や補助開始の申立手数料は別途必要です。

・連絡用の郵便切手代・・4千円前後(家庭裁判所により違います)

・戸籍謄本又は抄本・・・・・・・450円程度×2(本人と申立人)

・住民票・・・・・・・・300円程度×2(本人と後見人候補者の確認のため)

※戸籍謄本(抄本)や住民票は各市町村によって違いますので窓口にご確認ください。

・登記されていないことの証明書・・300円

(本人が後見・保佐・補助の審判を受けていない・任意後見の契約がないことの証明書)

※窓口での申請は最寄りの法務局・地方法務局で郵送の場合は東京法務局に申請してください。

・不動産全部事項証明書・・・・・・600円(本人が不動産を所有する場合)

・医師の診断書・・・・・・・・・・数千円~

必要書類に関しては『認知症になった場合の成年後見人の申立て必要書類』の記事で詳しく説明しているのでご覧ください。

法務局のホームページも参考になります。

専門家に申立てを依頼する場合の報酬は?

家庭裁判所への成年後見の申立てを弁護士又は司法書士に委任すると10万円~30万円の報酬がかかります。

成年後見の申立てはたくさんの書類の記載・収集が必要です。

多くの人は申立てが初めてですから知識や経験が豊富な専門家に相談してみましょう。

誰を成年後見人にするのか?

誰を成年後見人にするのか?

これが一番重要なポイントです!

すでに認知症になってしまった人には成年後見制度のうちの「法定後見」を利用することになります。

判断能力が欠けてしまったのであれば「後見」という類型になるでしょう。

この後見類型のことを今回は「成年後見」と表現しておきます。

成年後見人には家族や親族が選ばれにくいのです。

その理由に関しては『認知症の親の成年後見人に子どもは選ばれないの?』の記事を参考にしてください。

第三者の成年後見人が選ばれた場合には本人やご家族(ご親族)とのお付き合いは長期になることも。

 

成年後見人には介護・療養している施設から対応を求められてご家族等に連絡するなど橋渡しとしての役割もあります。

そのため日頃から情報共有し理解しあえる関係を築ける人「信頼できる人」を候補者に選びましょう。

また本人のために預かった財産を適切に維持・管理することは想像以上に大変です。

 

具体的に過去にあった事例をお話しましょう。

ご家族からお預かりした本人の通帳に詳細がわからない毎月引落しされている金額の記載がありました。

正式に「成年後見人」として裁判所から選任されていない間は銀行も個人情報なので詳細を教えてくれません。

いろいろ手を尽くして調べた結果本人が全く使用していない会費とわかりました。

裁判所から成年後見人として選任された後ようやく解約手続きをとることができました。

このようにただ通帳を預かるだけではなくその内容をしっかり確認することは成年後見人の大切な仕事の一つです。

 

しかし経験があまりない成年後見人ではどのような点に気をつけたら良いかわからず本人の不要な出費を見落としてしまう可能性があります。

また役所等の本人宛の郵便物は成年後見人に届くようにすることも可能です。

本人に代わり書類の届出や管理をすることも多いので信頼できる後見人の候補者を選んでおくことがとても重要。

専門家に依頼する場合は以下の点も大切ですので確認しておきましょう。

 

・現在、事務所として成年後見や任意後見は何件くらい受任しているか(経験が豊富か)

・申立人やご家族等の話をしっかり聴いてくれるか(上から目線でないか)

・後見のスタッフは複数人か(少ないと十分なサポートができない)

 

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「調べてもよくわからない、、、」

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成年後見制度を申し立てる時の費用ってどれくらい?のまとめ

今回は成年後見制度を申し立てる時の費用がどれくらいかかるのかについてご紹介しました。

はじめて依頼する時はどれくらいの費用がかかるのかわからないとなかなか依頼しにくいと思います。

なので今回の記事をご参考にしていただけましたら幸いです。

成年後見制度の利用については家族(ご親族)が制度の内容を理解してから

成年後見人等が決まるまでには多くの時間と労力が必要です。

ひとりで抱えずに専門家に相談することも一つの手段になるでしょう。

勝司法書士法人は法定後見や任意後見に詳しい経験豊富なスタッフが在籍しています。

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