コラムcolumn
法改正で相続した土地の放棄ができるようになる?条件は?
こんにちは司法書士の勝猛一(カツタケヒト)です。
現在の法律では預貯金は相続するけど遠方の土地は相続しない
という事は認められていません。
相続財産のすべてを相続するか逆にすべてを放棄するかのどちらかです。
しかし今回改正される見込みの「不動産登記法」では
一定の条件を満たせば相続した土地を国庫に帰属させる制度が創設されます。
この制度はどのような制度なのか詳しく解説していきます。
相続登記の義務化についてもどうする!相続登記の義務化の記事で詳しく説明してますのでご覧ください。
今回の内容は動画でも解説しています。
よかったらご覧ください。
現在の問題点
土地の相続登記をしない
現在の法律では相続が発生しても登記は義務ではないため自分にとって不要な土地は相続登記をしない人もいます。
そのため年月が経つと所有者が不明になり公共事業や土地開発が進まない現状があります。
所有者が不明のまま固定資産税が徴収できないことが自治体の問題になっているのです。
土地が荒れる
相続した土地が遠方にあるため管理が行き届かず荒れたままになっています。
そのため周辺地域の住民が迷惑しているという例もあります。
こうした問題を解決する対策の一つとして、、、
法制審議会が土地の国庫への帰属制度を創設する法改正案を政府に答申しました。
もし国会で成立すれば2023年に施行される予定です。
そんな注目の相続した土地の国庫への帰属。
どのような条件なら相続した土地を国庫へ帰属させることができるのでしょうか。
国庫への帰属を申請する前提条件
① 土地の所有者から相続又は遺贈(相続人への遺贈に限る)により取得した者が申請できます。
この意味は亡くなった土地所有者から土地を相続した法定相続人だけが申請できるという事です。
また共有者がいる場合は共有者全員で申請してください。
この場合は共有者の一部が相続又は遺贈により取得した者でなくても共同で申請できます。
相続以外の理由でその土地を共有している者は相続又は遺贈により取得した者と共同で申請ができるのです。
② 承認申請する際に手数料を払うこと。
国庫への帰属を申請できる土地の条件
②抵当権などの担保権または使用収益などの権利が設定されていない
③ 通路や他人の使用が予定される土地として政令で定めるものが含まれない
④ 特定の有害物質に汚染されていない
⑤ 境界や土地の帰属範囲に争いがない
⑥ 崖地で管理に過分な費用がかからない
⑦ 地上に管理・処分ができないような工作物・車両・樹木等の有体物がない
⑧地下に管理・処分できない有体物がない
⑨土地を管理・処分するにあたり隣地の所有者やその他の人と訴訟する必要がないこと
⑩①~⑨のほか管理・処分するのにかなり費用や労力がかかる土地ではないこと
・またこの承認申請は一筆ごとにすること
・国から承認があったら土地の種目ごと管理に必要な10年分の負担金を納付すること
などの条件を満たせば相続した土地の国庫への帰属が認められるようです。
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今回は新しく創設される相続した土地の国庫への帰属制度について解説しました。
この制度がどのように運用されていくのか詳しいことはこれから決まっていきます。
この改正によって相続人にとって資産価値の低い遠方の土地を
国に帰属させることができるようになるかもしれません。
今後は所有者不明の土地や管理されていない荒れた土地が
少しは減少するのではないかと期待されています。
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