コラムcolumn

2020.08.11成年後見

親が認知症になったときのための成年後見について徹底解説

こんにちは司法書士の勝猛一(カツタケヒト)です。

親の認知症について調べると成年後見人という言葉が出てきます。

他にも民事信託や家族信託なんていう言葉も。

あなたと親にとって一体どの制度が必要なのでしょうか。

なかなかわかりにくいですよね、、、

今回は成年後見という制度についてわかりやすく解説します。

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親が認知症になったときのための成年後見について徹底解説

成年後見制度と言っても実際には2つに分かれています。

法定後見任意後見です。

法定後見はあなたの親が認知症などで判断能力に問題がある場合に使う制度。

任意後見は親の判断能力がしっかりしているときに使う制度です。

任意後見は親が自分の考えを第三者にも伝えることができる状態の時に公正証書で契約します。

では具体的に法定後見と任意後見について解説していきます。

法定後見制度

法定後見は判断能力の問題がある人のために家庭裁判所に法定後見人を選んで貰う仕組みです。

法定後見人には3つの形があります。

完全に判断能力が無くなっている「後見人」という類型

判断能力が大きく衰えている「保佐人」という類型

判断能力が少し衰えている「補助人」という類型

法定後見人でないあなたが親の財産管理ができていたとしても親が認知症ならもしかするとそれは違法かもしれません。

法定後見のメリット

法定後見人は本人のために財産を使ったり本人に代わって生活のための契約をすることで本人を守ることができます。

身体を拭いてあげたり手を引いて歩くのを手伝うということは介護の部分です。

法定後見人は銀行でコソコソせずに正式にお金を下ろすことができます。

法定後見人は本人に代わって介護の契約や施設入居の契約が可能です。

法定後見のデメリット

  • 家庭裁判所が後見人を選びます。

子どもであるあなたが法定後見人になるとは限りません。

親族が法定後見人に選ばれたのは2019年で21.8%。

それはあなたが親の財産を自分のために好き勝手にするかも知れないと裁判所は心配しているからです。

  • あなたが法定後見人に選ばれたとしても監督人が付くかも知れません。

あなたが法定後見人に選ばれたとしても信託銀行に親の財産を預けるように言われることもあります。

  • 一度選ばれると親が亡くなるまで法定後見人を辞めることができません。

辞められると親が困るからです。

あなたの家庭環境や仕事が休めるかなどを考えて法定後見人になりましょう。

  • 報酬がかかります。

あなた以外の専門家が法定後見人に選ばれると親の財産から一年一回報酬を払う必要があります。

年間20万円から30万円くらいが多いです。

  • 贈与などができなくなります。

裁判所はあなた親の意思が確認できないので子どもや孫への贈与ができなくなります。

ですが配偶者の生活費など扶養としてのお金は使えます。

以上が法定後見の解説となります。

次に任意後見制度について見ていきましょう。

任意後見制度

任意後見はあなたの親の判断能力がしっかりしている間に公正証書で契約する制度。

契約しても今は使わずに親が認知症になって初めてスタートする保険のような制度です。

あなたの親の判断能力が衰えたときに任意後見契約をしておかないと法定後見になります。

任意後見のメリット

あなたが後見人になれます。

また贈与についても誰から見てもわかるように定めておけばできるものがあります。

自宅の売却なども具体的に定めておけば可能です。

法定後見より任意後見が優先になります。

どんな施設にどのくらいの費用をかけて入りたいかを決めることできます。

報酬は親子間で自由に決めることができますよ。

任意後見のデメリット

任意後見監督人が必ず選ばれます。

契約の時点で運用のやり方が決まっていない財産は積極的な運用ができません。

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親が認知症になったときのための成年後見について徹底解説のまとめ

あなたの親がすでに認知症などで判断能力に問題があるときは親を守るために法定後見の申立てが必要です。

あなたの親の判断能力に問題が無ければ今のうちに任意後見契約であなたが後見人になれるようにしておきましょう。

その上で親の財産に自社株や大規模修繕などが必要な不動産があれば民事信託も検討するという順番で検討しましょう。

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