コラムcolumn

2020.12.15遺言

遺言で寄付をするときのポイント!!

こんにちは司法書士の勝猛一(カツタケヒト)です。

最近、自分が亡くなったら残った財産の一部を

「社会のために使って欲しい」

「お世話になった母校に役立ててもらいたい」

と考える方が増えています。

その思いを実現するには遺言書をつくる必要があります。

遺言書で相続人以外の個人や団体などに寄付することを「遺贈寄付」といいます。

ですが遺贈寄付をする場合注意しなければならないことがいくつかあります。

今回は遺言で寄付をするときのポイントについて解説します。

今回の内容は、動画でも解説しています。

よかったらご覧ください。

まず寄付先に確認をとろう!

例えば

・現金以外の不動産や有価証券は受け付けない
・できるだけ遺言は公正証書遺言にして遺言執行者を指定してもらいたい
・遺贈寄付を受けるいくつかの制度があるので
その中から一つの制度を選んで書いて欲しい
・遺贈寄付を受けたことがないので具体的な受け方がわからない。
受けることの準備をしたいので時間が欲しい。

このような条件を事前に確認した上で遺言書を作成しましょう。

遺言で寄付をするときのポイント

遺言で寄付をするときのポイントは

 

1、包括遺贈ではなく特定遺贈で

2、不動産や有価証券ではなく現金を遺贈寄付

3、遺留分に注意

4、付言事項を書く

5、相続税や法人税

それぞれ詳しく説明します。

1、包括遺贈ではなく特定遺贈で

包括遺贈とは「全財産の2分の1を○○社会福祉法人に遺贈する」というように財産を割合で分配する方法です。

包括遺贈の受贈者(寄付をもらう側)は他の相続人と同じ権利義務が生じます。

そのため借金や連帯保証債務も受け取ってしまう場合もあります。

もし遺贈を放棄したい場合は相続人と同じで相続開始を知った時から

3ヶ月以内に「遺贈を放棄する」と家庭裁判所に申し出なければなりません。

 

特定遺贈とは「1000万円を○○社会福祉法人に遺贈する」というように財産を特定して分配する方法です。

特定遺贈は相続開始後いつでも遺贈を放棄できます。

このような理由で遺言書は特定遺贈の形式で作成した方が良いのです。

しかし自分が亡くなったあと現金がいくら残るかわからないので特定遺贈で金額を決めてしまうことも心配ですよね。

その不安を解消する方法として

・公正証書遺言で遺言執行者を指定する

・遺言執行者がすべての財産を売却し現金化する

(換価換金する)という遺言書を作成します。

こうすることで相続時に現金として残っていなくても他の財産を売却することで現金が用意できる場合もあります。

 

遺言執行者の指定については、公正証書遺言で遺言執行者を決めておこう!の記事をご覧ください。

生前に特定遺贈で指定した金額がないことに気づいたら遺言書を書き直しましょう。

遺言書は生きている間に何度でも書き直せます。

公正証書遺言で遺言執行者を指定していれば包括遺贈でも受け付ける団体もありますので寄付先に相談してみましょう。

2、不動産や有価証券ではなく現金を遺贈寄付

不動産や有価証券はすぐ売却できません。

特に不動産は権利関係が複雑だったり隣地との境界がはっきりしないなどのトラブルに巻き込まれる可能性もあります。

有価証券も受遺者名義の口座を作成しないと売却ができないこともあります。

そのため寄付を受ける側としては不動産や有価証券は受け付けない所も多いのです。

3、遺留分に注意

遺留分とは相続人に認められた最低限度の遺産をもらう割合です。

ただし相続人が亡くなった方の兄弟姉妹の場合には遺留分はありません。

配偶者や子供がいるのに「全財産を○○学校法人へ遺贈する」という遺言書を残した場合。

その相続人達からこの学校法人は遺留分侵害額請求を受けてしまいます。

寄付先に迷惑がかかることを考えれば遺留分を侵害することのない遺言書にしましょう。

4、付言事項を書く

付言事項とは遺言書に作成者の思いや願いを書くことです。

法的な効力はありませんが、、、

自分がなぜ寄付をしたのかという気持ちを相続人に伝えて理解してもらうためには付言事項には意味があるでしょう。

5、相続税や法人税

遺贈寄付をした場合、相続財産はその額だけ減ります。

つまりは相続人にとっては相続税が減ることになります。

また寄付先が個人なら相続税がかり法人なら法人税がかかります。

ですが公益事業を行っていてその事業のために使われるならその税金はかかりません。

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遺言で寄付をするときのポイントのまとめ

今回は遺言で寄付をするときのポイントについて解説しました。

遺贈寄付をすることの注意点として

  • まずは寄付先に遺贈を受ける条件などの確認をとる。
  • 遺言執行者を指定した公正証書遺言を作る。
  • 特定遺贈の形式による公正証書遺言を作成し不動産や有価証券ではなく現金を遺贈する。
  • 相続人の遺留分を侵害しないよう注意する。
  • 付言事項に寄付する思いを書いておきましょう。

ご自分の遺産を「社会のために役立てたい」という思いを実現するには

実現するための遺言書の作成がとても大切です。

せっかくの思いが無駄にならないよう専門家にご相談ください。

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