コラムcolumn

2021.01.04遺言

兄弟での相続トラブルの事例をご紹介|対策もあわせてご紹介

こんにちは司法書士の勝猛一(カツタケヒト)です。

「うちは家族仲が良いから大丈夫」「財産なんてそんなにないからもめる訳ない」

と相続トラブルを他人事に考えている方も多いのが現状です。

しかしごく普通のご家庭でも思わぬ相続トラブルが起こるのです。

今回はどのような相続トラブルがあり対策として何をすべきか解説していきます。

YouTubeで関連の動画を見ることもできます。

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兄弟間でのトラブル

実家で母と同居していた兄は母が亡くなった後も「母がずっと住んでいて良いと言った」と

使用貸借を主張し、実家の売却や相続について話し合いに応じようとしない

兄弟間でのトラブルがあります。

「使用貸借」とは無償で物を貸し借りすることです。

借主の死亡によって効力を失いますが貸主が死亡しても

この「使用貸借」は続いています。

今回の貸主は亡くなった母でした。

ですから母の貸主の地位は相続人全員に引き継がれることになり

兄に実家を貸し続けるという義務も引き継がれるのです。

また不動産が共有だと共有者全員の意思の合致がないと売却できず

実家をどうすることもできず兄以外の相続人達は困り果てています。

実は相続人の一人が使用貸借を主張し相続トラブルになるケースが結構あります。

対策

親が元気なうちに遺言執行者を指定した公正証書遺言を作成しておくことです。

遺言執行者を指定した公正証書遺言証書については公正証書遺言で遺言執行者を決めておこう!をご覧ください。

親は同居している子どもには「ずっと住んでいて良い」と言ってしまいがちです。

ところが遺言として残さないと他の相続人とトラブルになるとは考えていません。

「同居している子どもには実家を相続させる。他の子どもたちには預貯金を相続させる」という

遺留分に考慮した公正証書遺言を作成すれば争いになることは極力避けられます。

相続放棄トラブル

疎遠にしていた独身の弟が亡くなりました。

両親・祖父母もすでに亡くなっているので兄弟である自分が相続人になりました。

そのまま相続してしまうとプラスの財産と共にマイナスの財産である債務も相続してしまいます。

付き合いのなかった弟の財産状況がわからないまま相続するのは大変危険です。

そこで悩んだ末に相続放棄をしようと考えます。

しかし相続放棄をするにも期限があります。

自分が相続人と知った時から3ヶ月以内に相続放棄をしなければなりません。

まずは弟の財産を調べるために通帳や郵便物から探し始めます。

ですが3ヶ月はあっという間に経ってしまいます。

対策

まずこの場合一番「してはいけないこと」は周りに迷惑をかけるからと

弟の家賃や携帯電話の滞納料金などの債務の支払いをしてしまうことです。

債務というと金融機関等からの借金と想像しがちです。

ですが未払いの家賃や携帯電話料金も債務です。

債務の支払いをしてしまうと単純承認といって

「私は弟の財産のすべてを相続します」

と認めたことになり相続放棄ができません。

相続するか迷った時はすぐに専門家に相談しましょう。

相続人が債務の調査をするには戸籍謄本の取得も必要になりますので非常に時間がかかります。

もしもう3ヶ月が過ぎてもあきらめないで相談して下さい。

正当な理由があれば裁判所に期限の延長が認められる場合もあります。

わからないことがありましたらお気軽にご相談ください

「調べてもよくわからない、、、」

成年後見や法定後見は専門的な内容のためわかりにくい点があると思います。

そういった時は一人で悩まずにお気軽にご相談ください。

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相続トラブルにならない為のまとめ

相続トラブルの実例と対策について解説しました。

よく相続について親子で話し合いましょうと言われます。

ですが子供から親の亡くなることを前提とした話は大変しにくいものです。

親としても遺言書を作ることは何となく考えていても

何から始めれば良いかわからないからと後回しにしてしまいます。

そのような時は第三者である専門家に相談しましょう。

アドバイスをもらいながらもめない相続の準備をすることがスムーズにできます。

また遺言書を準備することで自分の意思が受け継がれ子どもたちや相続人にも迷惑をかけずに相続手続きが進められます。

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