コラムcolumn
「死後事務委任契約」とは
こんにちは、司法書士の勝猛一(カツタケヒト)です。
親族と疎遠になっている方が亡くなった場合、
葬儀は誰がするのか?
納骨やお墓はどうする?
賃貸物件の解約や自宅の後片付けは?
など、色々な問題が出てきます。
そこで準備として
「死後事務委任契約」という契約をしておきます。
この契約は、本人の判断能力がしっかりしているうちに
行う必要があります。
今回はこの「死後事務委任契約」について解説していきます。
「死後事務委任契約」については
死後事務委任契約とは?おひとりさまでも安心でも解説しています。
ぜひ、ご覧ください。
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「死後事務委任契約」とは
「死後事務委任契約」とは
本人が亡くなった後、
葬儀の手続きや役所への届出などの事務手続きを
第三者(受任者)にしてもらう契約のことを言います。
通常は親族がそれらの手続きを行います。
しかし、頼れる親族がいない場合
死後の手続きをしてくれる人がいません。
そこで「死後事務委任契約」が必要になってくるのです。
遺言を残せば大丈夫!と考えている方もいますが
遺言は、財産の分配など決められた事項にしか
効力がありません。
遺言の効力については
「遺言の持っている7つの効力とは?」で詳しく解説しています。
「死後事務委任契約」と同時に死後事務の受任者を
「遺言執行者」とする遺言も作成すると良いでしょう。
というのは、死後事務を行う上で遺言執行者と
つながる必要がどうしても出てくるからです。
たとえば、自宅の遺品整理を行っていると
財産価値のある絵画や金貨・古銭等が出てきたりします。
それらは相続財産ですので、死後事務の受任者が
勝手に処分はできません。
そこで遺産の分配をする遺言執行者と連携する必要があります。
「死後事務の受任者」と「遺言執行者」が同一であれば
スムーズに手続きが進められという訳です。
遺言執行者については
遺言執行者ができることを解説で詳しく解説しています。
「死後事務委任契約」にできること
「死後事務委任契約」では、さまざまな内容を委任できます。
たとえば
・医療費や施設費用の支払い
・自宅の遺品整理
・役所への諸届け
・賃貸マンション等の解約手続き
・公共料金の支払い
「死後事務委任契約」には、できるだけ細かく
依頼したいことを盛り込んでおくと良いでしょう。
契約内容に記載されていないことは
死後事務として行うことができないからです。
「死後事務委任契約」のできないこと
契約ですので、基本的には自由に契約内容を決められます。
しかし、実現不可能なことや法律に違反することは
契約できません。
また、死亡届は死後事務の受任者は
届け出ができる人に含まれていません。
そのため任意後見契約をしておいて
任意後見の受任者から死亡届を出してもらう必要があります。
任意後見契約とは、信頼できる人に任意後見人になってもらい
判断能力が衰えたら、自分の財産の管理、介護サービス等を
任せられるという契約です。
任意後見については
任意後見人ができることを解説 で解説しています。
「死後事務委任契約」は公正証書で作成
この契約による手続きをスタートする時には本人がいません。
そのため本人に相続人がいる場合など、トラブルになる可能性も考え
契約は公正証書で作成すると良いでしょう。
その場合は、公証人の手数料が必要です。
公正証書は、公証人がしっかりと本人の意思を確認し
法律面のチェックをして作成するものです。
公正証書の作成は義務ではないので
契約の内容が変わる可能性が高い場合などは
受任者としっかり話し合ってどちらにすべきか決めましょう。
公証役場については
公正証書遺言はどこで作るの? でも解説しています。
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「死後事務委任契約」とは
本人が亡くなった後、
火葬の手続きや役所への届出などの事務手続きを
受任者にしてもらう契約のことを言います。
「死後事務委任契約」では、さまざまな内容を委任できます。
本人に相続人がいる場合など、トラブルになる可能性もあるため
契約書は公正証書で作成することも検討しましょう。
そろそろ「生前対策」を、と考え始めたら
勝司法書士法人にご相談ください。
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