コラムcolumn

2022.08.15死後事務

「死後事務委任契約」と「遺言」の違い

 

こんにちは、司法書士の勝猛一(カツタケヒト)です。

「遺言」を残せば「死後事務」はやってもらえるのでしょうか?

と質問をされることがあります。

答えは「NO」です。

今回は、この「死後事務委任契約」「遺言」の違いについて

詳しく解説しています。

「死後事務委任契約」については

「死後事務委任契約」とはで解説しています。

今回の記事に関する「死後事務委任契約」と「遺言」の違い のYouTubeについても是非ご覧ください。

 

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「死後事務委任契約」 「遺言」 違い

「死後事務委任契約」でできること

「死後事務委任契約」では、亡くなった後の

さまざまな事務手続きを委任する契約ができます。

たとえば、

・葬儀、納骨等に関する手配
・医療費や施設費用の支払い
・自宅の遺品整理
・役所への諸届け
・賃貸マンション等の解約手続き
・公共料金の支払い
などを依頼できます。

「死後事務委任契約」でできないこと

依頼者が亡くなった時、死後事務の受任者では

死亡届が出せません。

法律で決められた「死亡届の届出ができる人」に含まれていないのです。

そのための対策として「任意後見契約」というものがあります。

任意後見契約とは、信頼できる人に任意後見人になってもらう契約をして

将来、判断能力が衰えたら、その任意後見人に

自分の財産の管理や介護サービス等の手続きを任せる契約です。

任意後見契約によって

任意後見の受任者から死亡届を出してもらうことができます。

任意後見については

任意後見人ができることを解説 で解説しています。

また、遺品整理をしていると財産価値のあるものが

出てきたりします。

しかし、死後事務を任せられた受任者には

相続財産を処分したりすることができません。

相続財産は相続人のものなので処分する権限がありません。

そのような時のために「遺言執行者」を指定した「遺言書」を

作成しておきます。

その「遺言執行者」と「死後事務の受任者」とを

同一にすれば、スムーズに手続きが進められます。

遺言執行者とは遺言の内容を実現するために手続きする人です。

遺言執行者については

「遺言執行者ができることを解説 」

「遺言執行者の権限の範囲を解説」

で詳しく解説しています。

「遺言」でできること

遺言でできることは法律で決まっています。

これを「遺言事項」といいます。

たとえば

「自宅を長男に相続させる」や

「相続財産の三分の一を長女に相続させる」といった

遺産の分け方を決めることです。

また「子を認知する」などといった

いわゆる身分行為の一部も「遺言事項」です。

遺言の効力については、

「遺言が持っている7つの効力とは?正しい遺言を作るために知っておこう」

で詳しく解説しています。

「遺言」でできないこと

葬儀のやり方やお墓のこと、自宅の片付けなどについて

書いても法的に効力がありません。

「遺言事項」ではないからです。

頼れる家族や親族がいれば

それについて希望を伝えておけます。

しかし、いわゆる「おひとりさま」はどうすればよいでしょう。

そこでお勧めするのが「死後事務委任契約」です。

「遺言」ではできないことを「死後事務委任契約」にして

「死後事務委任契約」でできないことは

「遺言」に書いておきます。

「死後事務委任契約」と「遺言」は

お互いに補完し合える制度なのです。

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「死後事務委任契約」と「遺言」の違い まとめ

「死後事務委任契約」では、亡くなった後の

さまざまな事務手続きを委任する契約ができます。

しかし依頼者が亡くなった時、任意後見人がいないと

死後事務の受任者では死亡届が出せません。

また死後事務を任せられた受任者は、遺言執行者ではないので

相続財産を処分したりすることもできません。

「遺言」でできることは

相続財産の分け方を指定することや、

身分行為の一部の「遺言事項」といわれることです。

葬儀のやり方やお墓のこと、自宅の片付けなどを「遺言」に書いても

法的に効力がありません。

「死後事務委任契約」「遺言」

お互いに補完し合える制度なのです。

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